母の一生

2008年2月2日
母の通夜を明日に控え、今日も親戚やら母の友達やらが来てくれた。

まず来たのは母の弟家族。そして少ししたら来た母の叔母と母の従姉妹。そして母の入院友達夫婦がきて。

そしたら母の弟家族は10分もしないのに帰ってしまった。

母は弟とあまり仲良くなかったらしい。弟はどう感じてるかは知らない。でも母は祖母が叔父ばかりをかわいがっていたのもあり、家に自分の居場所がなかったって前に言っていたことがあった。家に居場所のなかった母は叔母の家に行ったり、友達の家に行ったりして家にあまりいなかったそうだ。

そして物心ついた時から知っていた母の日記の存在。

母は手帳にその日のことを5行くらいでいろいろ書き込んでいた。それはそれは何事も三日坊主な母にしては10年以上も続いた日記で。母が脳腫瘍の手術をした後くらいからこの手帳は母の手では処分できないとはわかっていたけど。

もっと若かった頃から母の日記は盗み読みしたことはあった。父や私の悪口が書いてあってむかついたのも懐かしい。そして今、母のそばでその日記を読んでいて、これは父には読ませちゃいけない、これは誰にも読ませちゃいけない、私だけが母の思いを理解して処分しようと思った。

それにはもちろん私のことも書いてある。「バカ娘」っていくつ書いてあったろう。

でも、これは私が責任をもって処分しよう。親戚のことも包み隠さず本音を書いてあって、これは母が亡くなった後何度も来てくれた叔母や80も過ぎたのにわざわざ来てくれた大叔父の悪口も満載で。でも母の死を悼んでくれている人たちにあえて本音を教える必要もなく。そして母の死を悲しんでる父にあえて変なことを言う必要もないだろう。

お母さん、私はお母さんにとっては不出来な娘だったし相性も悪かった。私はお母さんのことをずっとうらんできたし、お母さんも日記に「自分の娘だけど怖い」って書いてあったくらいな今生の関係だった。それは悲しいことだけど、縁あってあなたの娘として生まれてきたから、あなたの後始末は私が責任をもってします。安心して。みんなの中にあなたの思い出は美しく生きると思う。でも、日記にしか本音をかけなかったあなたはなんだかかわいそうで。

小さい頃は早くこの家族から独立したいと思って早く結婚して家を出たかった母。

そして自分の家庭を持ったら持ったで父の親戚のことで苦労したり、父の浮気癖で苦労したりして、その上娘は娘であなたと同じように家にいることに苦痛を感じて早く独立したいと考えていた上に、同居したらしたで不倫問題で悩んだり、手術後に体が不自由になったら娘にひどい仕打ちを受けて。あなたの人生、いつも逃げ出したいものだったんでしょう。だって今あなたの遺体はそばにいるけど、あなたの気配を私は感じない。あなたはやっと自由になってどこか好き勝手行ってるんでしょう。

やっと自由になれたね。今生はつらいことが多かったお母さん、次の人生は幸せになれるようにいまさら祈ってます。そしてもうお母さんの魂なんて微塵もないこの遺体を責任もってきちんと葬儀します。

お母さん、私たちは本当にずっとわかりあえなかった。悲しいことだけど、でもあなたのことは忘れないし、ちゃんと後始末します。安心して。

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