ひばりローズ

2005年6月4日
今日はお休みだし出張もなかったので、母のところに昼と夜顔を出した。

母はここ何日か便秘だったようで、お尻が痛いと泣いていた。牛乳を飲んだり下剤を飲んだり。あまり過剰反応しない方がいいんじゃないかなあと思いつつ、母の身の回りを片づけていたら、母が急にこういった。

家に帰りたい。家のウォシュレットだったら出そうな気がする

はあ?トイレに行きたいだけで家に帰りたい??まだ歩くこともままならず、トイレも看護士の介助がなければいけないのに、誰が面倒をみるのさ。

毎日の病院通いと職場のストレスから母にガンガン怒ってしまった。最初は何を偉そうにと言っていた母が急にシュンとしてしまった。

ああ、言い過ぎた。

母の言っていることはわがままだ。でも気持ちはわからなくもない。でも家族で母を介助するのは現段階では無理だ(80キロ以上の巨漢を支えるのは・・・)でもあんなにきつい言い方しなくてもよかったのに・・・。

昼に身の回りを片づけた後、職場に行こうとした私に母は涙声でありがとうと言った。

たかだか数時間だけど休日出勤をして普段できない仕事を片づける。早くやれと部下に言っていた仕事が金曜日にようやくできあがってきたけど、それを見ていたらやっぱり抜けがある。

まあ、若いしここまで汗をかけっていうのも無理な話か

そう思いながら自分で体裁を整えて何とか形にする。ここ2年、できの悪い部下をもっていたし別にショックはない。

仕事をしながら母の様子がきにかかる。面倒を見ている家族も大変だけど、やっぱり痛い思いをした本人が一番つらいはず。なのに優しくない私・・・。

反省してちょっと母の気分がよくなるように花を買ってみた。花屋さんで病院にいる60過ぎのおばさんにあげる花束を作ってってお願いをしたら、ひばりローズなんてどうですかと勧められた。あの美空ひばりからとった名前を持つバラは気高くて上品で、でも強いイメージを持つバラだった。

じゃあそれで。

花束を持ちながら急な夕立の中道を急ぐ。

本日2度目の病院に行ったら母は寝ていた。母のリクエストのほうじ茶のティバックを袋から出したりしていたら母が起きた。

ひばりローズを見た母が嬉しそうに言った。「きれいね」

ひばりローズの名前と由来を話したら母は病室にきた看護士さんに得意げに話をしていた。喜んでもらえて良かった。

食事後に母の動かない左手や左足をマッサージする。少しずつ、本当に少しずつだけど以前よりも動くようになってきた母の左手と左足。看護士には放射線治療の間に左側の麻痺が治らなければリハビリ専門の病院に移った方が、と言われてかなりショックだったけど、母もリハビリを頑張るって言っていたし、長い目で見よう。

親不孝な優しくない娘でごめんね、お母さん。

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